ハンドマッサージ|アロマセラピストひとくちメモ




アロマセラピストの勉強をしている40代の生徒様がいます。

アロマセラピストになりたいと思ったきっかけは、同居している実のお母さんが認知症になったことでした。少しでもアロマトリートメントが役に立てばと来てくださったのです。

彼女とお話をさせていただくと、お母さんへの思いやりに溢れています。思いが強いということは、それだけ大切に育てられたのでしょう。

日を追うごとに忘れてしまうことが多くなるお母さん。孫のことや娘婿を忘れ、最近は、ついに私のこともよその人と間違えるようになってしまったと嘆いていました。

ご飯をよそうと「すみませんね」
着替えをすると「申し訳ありませんね」

私を施設の人と間違えているようなんです。と頭ではわかっていながらも、自分が忘れられていくことがなかなか受け入れられない様子でした。

ある日、習いたてのハンドマッサージをお母さんにして差し上げたそうです。すると、驚いたことに、その時だけは、お母さんは彼女を娘だと思い出したのだそうです。

「私の名前を呼びながら昔話をするんです。手の力って凄いですよね。」

そしてハンドマッサージが終わると、また彼女のことを忘れてしまったそうです。

聴いている私たちスタッフが泣いていました。ハンドマッサージから伝わる手の温もりや感触が、若き日に娘と手を繋いだ日々を思い出させてくれるのでしょうか。

それ以来、彼女は娘に戻りたい時に、ハンドマッサージをしてお母さんと会話を楽しむのだとおっしゃっていました。
アロマトリートメントは時に素晴らしい奇跡を起こすのかもしれません。