レモン|菅野千津子の精油コラム




昔から、レモンスカッシュ、レモネード、はちみつレモンなどの食品をはじめ、洗剤はママレモン、学校のネットに入った石鹸はレモンの形と香りと、私のまわりにはレモンがあふれていました。

私の中ではレモンほど身近に感じる精油はありません。

子どもの頃に友達の家に遊びに行くと、おばさんがティーバッグの紅茶を5個入れて、やかんで沸かしてくれました。
それはまるで麦茶感覚でした。

やかんからカップに並々と紅茶を注いでくれたおばさんは、白糖をたっぷり入れてグルグルとスプーンでかき回し、最後に輪切りにしたレモンをそっと入れてくれました。

いかにも昭和の光景ですが、紅茶に浮く砂糖味のしみ込んだレモンが本当に美味しかったことを覚えています。

そして、今でもレモンの香りで、おばさんがひと手間かけてくれた紅茶のストーリーが、私にはセットとなって蘇るのです。

フランスの作家・プルーストが書いた「失われた時をもとめて」の中に、紅茶とマドレーヌの香りから幼少期の記憶が蘇る描写があります。

そこから、香りを嗅いで記憶が蘇ることを「プルースト効果」と呼ぶようになりました。

レモンの精油は血管を気にされる方や美白などによく使います。

私にとってのプルーストは、紅茶とレモン、そして、やかんですかね(笑)