精油の拡散と体内への取り込み・排泄
香りを嘆ぐこと(香りの拡散も吸入も含めて)で、精油はどのように身体に取りこまれるか見てみましょう。
鼻腔の粘膜は非常に薄く、また血管も沢山あるので少しの刺激で鼻血が出た経験もあるでしょう。この鼻粘膜から精油が血液循環に取り込まれることが解っています(Gilman、1980年)。
しかし、多くの精油の成分は空気とともに咽喉、気管、気管支を通過し、肺に入ります。肺は気管支が二十数回枝分かれし、枝分かれしなくなった先に薄いゴム風船がついた構造をしています。
この薄いゴム風船のことを肺胞と呼びます。この肺胞の周りに毛細血管が取り巻いていてガス交換を行い、血管に酸素を取り入れ、二酸化炭素を血管から排出させます。
肺胞から血液中に酸素が取り込まれる方法と同じ方法で、精油の成分も肺胞から血中に取り込まれます。どのくらい体内に取り込まれるかは興味のあるところです。
ロバート・ティスランド氏らの研究によると、100㎥(2mX5mX10m)の部屋で、d-リモネンという香りの成分を 1 g~40g(1 滴を 0.05ccとするとおおよそ20~800滴)を拡散させたところ、参加したボランティアの人達は、2時間でdリモネンを70% 血中に取り込みました。
ただ呼吸しているだけで、空気中にある香りをたくさん血中に取り込んでいるんですね。