香りと記憶の関係
大脳辺縁系の同じ領域に嗅覚と記憶に関与する部位があることは解説しました。
この香りに記憶力や集中力を刺激する能力があるという主張は、1世紀にまで遡ることができます。中でも、パジル、ペパーミント、ローズマリーは有名です。
記憶は、記憶しようという集中力が高いときにスムーズに行われますが、これらの精油はその集中力を高めてくれるのではないのでしょうか。実際に、香りをかぐとスーツと頭がすっきりするのを感じてもらえると思います。
私たちが得る外界からの情報は、視覚によるものが多いのですが、視覚による情報の記憶保持と香りによる情報の記憶保持についての研究結果が 1973年に発表されています。
これによると、視覚による情報の記憶の場合、記憶したばかりのときは詳細まで記憶しているものの、時間とともに徐々に薄れていってしまいます。一方、香りの記憶は長い間、消えずに残る情報になります。