香りと記憶のエピソード-人間の脳と嗅覚|アロマセラピーに役立つ解剖学・生理学

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香りと記憶のエピソード

香りと記憶の実際のエピソードをご紹介しましょう。

喜ばしくない例

ニューヨークでの出来事です。ある女性が新しい香水をつけてエレベーターに乗りました。その時、ニューヨークで大停電が起乙り、12時間もエレベーターの中に閉じこめ られてしまったのです。

その女性は、二度とその香水をつけることができなくなってしまいました。その香りが閉所恐怖を感じさせるようになってしまったのです。

微笑ましい例

私達の大部分は、ディーゼル油の香りを快いものとは感じないと思いますが、ある女性にとっては、結婚して聞もない幸せな頃の記憶を蘇らせてくれるのです。

その頃、彼女の夫は鉄道で働いていて、ディーぜル油の香りをさせながら家に戻って来たからでした。

奇跡的な例

1983年にイングランドで 17 才になる少年が自転車に乗っているときに事故に遭い、3ヶ月間も病院のベッドで昏睡状態が続きました。ところが、少年がミント好きだったのを思い出した父親が、試しにペパーミントの精油をかがせてみたところ、少年は意識を取り戻したのでした。

この回復が純粋に香りと記憶の結びつきか、それともペパーミントの脳を刺激する作用が働いたのかはわかりませんが、とても喜ばしい例です。


参考:ホリスティック アロマテラピー/ロバート・ティスランド著/フレグランスジヤーナル社

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