理性的な行動を司る部分への刺激
旧皮質や大脳辺縁系など本能に関わる部分の脳と香りについて述べましたが、それでは大脳新皮質と香りの関係はどういうものなのでしょうか。
1984年に行われたウォーリック大学嗅覚研究部バン・トラー博士による香りと、大脳新皮質の関係の実験をご紹介 しましょう。
博士は実験で、被験者に心地よい香りをかがせて脳波を測ってみました。すると、香りをかいでから 1 秒もたたないうちに大脳新皮質が刺激されることがわかりました。
解剖学的には嘆球から香りの情報は、梨状皮質を経由して、それに覆い被さるようにある大脳新皮質を刺激することがわかっています また、左脳よりも右脳のほうが強く刺激されることもわかりました。
この ように、香りは大脳新皮質にも働きかけ、知的プロセスにも影響を与えるようです。