イスラエルのアロマセラピーの歴史
B.C.15~B.C.1世紀頃のイスラエルは、旧約聖書の舞台で、数々の香りのエピソードがつづられています。
この時代も神への捧げ物の作物や、羊などに乳香などの香りが添えられていました。神と人をつなげる役割で使われていたのでしょう。
モーゼのエジプトからの脱出
「モーゼのエジプトからの脱出(B.C.1450年頃)」にも香りは関わっています。
モーゼがイスラエルの民を率いて、エジプトを脱出する場面が記載されている「脱エジプト記30章」に、「主はまたモーゼに言われた。あなたは最も良い香料をとりなさい。すなわち、液状の没薬500シケル、匂い香ばしい肉桂(にっけい)をその半分の250シケル、またオリーブの油を1ビンとりなさい。これを聖なる油を作るわざに従い、混ぜ合わせて匂い油を作らなくてはならない。これは聖なる注ぎ油である・・・・・」と、聖なるオイルと聖なる香りの作り方が記載されています。
ソロモンの栄華
ソロモン王(在位B.C.960~B.C.925年頃)のエピソードです。アラビア南部のイエメンにあったシバの女王の国から、「香料の道(紅海沿いの道)」を北上したラクダの隊商によって、ソロモン王に黄金とフランキンセンスとミルラが献じられました。ここでも、この2つの香りが好まれていたようです。
一般の人は香りをどう扱っていたのでしょう
「私は、床に美しい敷物とエジプトのあや布を敷き、ミルラ、ろかい(アロエ)、桂皮(肉桂の皮)をもって、私の床を匂わせました。さあ、私たちは夜が明けるまで、情をつくし愛を交わして楽しみましょう。」このように、イスラエルの人々は夜を演出していたようです。
キリスト誕生
キリスト誕生には、アロマセラピーに出てくる精油の名前が登場します。
新約聖書のマタイの福音書2章に、東方の三使者が「母マリアのそばにいる幼子にひれ伏し、黄金【偉大な商人のシンボル】、ミルラ【偉大な医者のシンボル】、フランキンセンス【偉大な預言者のシンボル】などの貢ぎ物を捧げた。」とあります。その時、キリストはフランキンセンスを選んだと言われています。