ヨーロッパ近代|アロマセラピーの歴史

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現代 (18世紀~)

現代では、香りはもっぱら香水の分野で用いられています。18~19世紀のヨーロッパの貴族の間では、なくてはならない物だったでしょう。

ポンパドール夫人とマリー・アントワネット(18世紀)

彼女たちは、ジャスミン・ローズ・バイオレットなどのフローラル系の香りを好みました。ぜいたくは香りだけにとどまらず、化粧品・衣装などにも及び、財政を苦しめ民衆の反感を買いました。

また、ルイ14世はローズウォーターとマージョラムで部屋を香らせ、衣類は、クローブ、ナツメグ、アロエ、ジャスミン、オレンジウォーターで洗わせました。彼は、新しい香水が毎日自分のために作られるべきだと言っていました。

4711コロン

1804年に皇帝についたナポレオンは、大の清潔好きで、石鹸で体を洗いオーデコロンをつけていました。このオーデコロンは、ドイツのケルンに住んでいたイタリア人の理髪師が考え出したものです。ナポレオンに呼び寄せられ、その一族はパリにオーデコロンの店を開きました。

戦争

戦争は現代に至るまで数多く繰り広げられて来ました。戦いでは多くの人が傷つきます。この傷の手当てをするのに薬が必要になるわけですが、ほとんどは化学薬品が用いられてきました。それとともに、手術が得意な西洋医学が信仰されるようになっていきました。

しかし、第二次大戦などではこの薬を製造することもままならず、戦士の救急キットのなかに傷の手当て用にティーツリーの精油が入っていたとも言われています。

アロマセラピーという言葉について

有史以来、さまざまな場面で香りが用いられてきましたが、「アロマセラピー」という名が生まれたのは1920年代になってからのことです。

フランスの化学者ルネ=モーリス・ガットフォセが、研究中に片手に火傷を負い、とっさに近くにあったラベンダーの精油にその手を浸けたのです。すると、火傷は悪化するどころか跡形も残らず、びっくりするような早さで治っていきました。

そこで、ガットフォセは精油について研究を始め「アロマセラピー(芳香療法)」という言葉を作ったのです。そして、その後もさまざまな論文を発表しました。

療法としてのアロマセラピー

ガットフォセのアロマセラピーの研究を契機に、さまざまな化学論文が発表されましたが、第二次世界大戦が始まると、その熱はすっかりと言って良いほど冷めてしまいました。

そんな中で、薬用植物を治療に用いることに興味をもっていたフランスの医学博士ジャン・バルネは、大戦中に精油を戦傷の治療のために広く用いました。

そして、アロマセラピーが大きな可能性を秘めた治療方法であることを知り、それ以降もさまざまな症状に精油を用いて、その結果を論文で発表しています。彼は、1964年には「芳香療法」という本も出版しています。

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