久保明 医学博士のメディカル質問教室
Q1嗅覚のはたらきとエイジングについて教えてください。
ものの臭いを認識する嗅覚は、鼻腔内の嗅覚領域(上鼻甲介の内側とそれに対応する鼻腔500mm2 の領域) に存在しています。
嗅細胞の細胞膜上には受容体があり、ここに臭いのもと(化学物質) が結合すると電気信号が発生し、これが嗅覚受容器、嗅球、嗅皮質へと伝わり、臭いとして認識されます。
嗅覚障害を起こす最大の原因は鼻腔の炎症ですが、エイジングも嗅覚障害をもたらすひとつの原因になっています。嗅細胞や嗅球に加齢による変性が起き、臭いに対する反応が鈍くなるためです。
また、アルツハイマー型認知症のように、中枢神経側に問題がある疾患がある場合でも、嗅覚障害を合併することがあります。
嗅覚は味覚とも関連性が深く、嗅覚障害を起こして臭いが分からなくなると、食べものの味も分からなくなることがあります。嗅覚障害が原因で味覚障害を起こし、それが食欲不振や塩分、糖分の過剰摂取などにつながるケースも見られます。
Q2最近、よく耳にするGI 値ってなんですか?
GI 値とは、グリセミックインデックス値のこと。食べ物が胃や腸で消化され、血液中にブドウ糖として取り込まれるまでの時間を、ブドウ糖を摂取した状態を100 として比較したもの。
このGIの値が高いと血糖値が上がりやすく、低いと血糖値が上がりにくいとされています。
グリセミックインデックスとは50g の食べ物における血糖曲線を示したもの。このグリセミックインデックスに対し、グリセミックロードとは1日あたりの必要量でとれくらい上がりやすいかを示したものです。
グリセミックインデックスとグリセミックロードでは、血糖値の上がり具合がまったく違い、グリセミックインデックスの方が数値が大きくなっています。
これは食べものの中のブドウ糖だけにスポットを当てており、吸収を緩やかにする食物繊維をはじめとする、ほかの栄養素が考慮されていないためだと考えられます。
このことから食べもののほかの栄養素も考慮に入れ、総量から血糖曲線を出したグリセミックロードを利用したほうが良いのではといった考え方も出ています。
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