心理カウンセラー・丸山弥生さんに聞く
心理カウンセラー・丸山弥生さんプロフィール
まるやまやよい・心理カウンセラー
日本メンタルヘルス協会心理カウンセラー・専任講師。スポーツセンター、土木資材商社で17年間の勤務経験を持つ。
会社員時代に「自分と人間関係を劇的に変える何か」を探していた時、日本メンタルヘルス協会代表である衛藤信之氏に出会い、「目からウロコ」の衝撃を受けて師事。心理カウンセリングを学び、現在は心理カウンセラー、講師として活躍。
「笑いながら学べる心理学は、こころの幸せのための必須科目!」として人気が高く、全国のスクールで講義を担当。学校関係、企業、病院、官公庁など、幅広く講演活動を行う。
アロマと心理カウンセリングの組み合わせによって寄り添う距離感を見つけることができる
香りで自分を発見
苦手だった香りを克服した喜びと気づき
癒やしを求めている時、元気を出したい時、リフレッシュしたい時など、アロマは心に働きかけ、ストレスケアにも有効です。
アロマは心に大きく作用するからこそ、精油の知識とともに心理学を学ぶことは、とても大事だと思っています。
【丸山さん】私が講師を務める心理カウンセリングのスクールでも、アロマセラピストの方や、アロマを趣味にしていらっしゃる方は多いです。香りによって気が付くこともあります。
私は花の香りが苦手で、特にイランイランなどは、もう本当に「いらん、いらん(笑)」という感じでした。花の香りが苦手ということをアロマをなさっている方にお話ししたら「丸山さんはご自身の女性性がお嫌いですか?」と聞かれてハッとしたんですね。
確かに「女性だから」と甘えるのは苦手で、仕事を頼まれて「できない〜」とか言っている女性を「ずるい」と思ってしまうところがありました。香りには意味があるんですね。
その方に「イランイランの香り100%は無理だとしても、少し使ってみるのはどうでしょうか?」とアドバイスされ、レモンの香りに一滴垂らして使ってみることにしました。
最初はどうしても「この中にイランイランが……」と思うと香りを探してしまうのですが、段々気にならなくなっていき、一滴が二滴と増え「苦手だったイランイランを受け入れられた」という喜びになりました。
それと同時にイランイランの香りにイライラすることはなくなり、「この香りで癒やされている人もいる」「この香りを必要とする人がいる」と思えるように。
「女性性」に対しても、自分が気に入らないからといって否定するのはやめようと考えを新たにしました。
アロマセラピーの癒やし
香りの有効性だけでなく、感覚的な心地良さも大きい
香りは感覚的で、より本能に近い部分を意識させられることがありますね。
【丸山さん】コンディションによって、好きな香り、嫌いな香りも異なりますよね。アロマは、自分の気持ちの整理ができ、自分の本能的なものを取り戻すことのできる大切なものだと思っています。
もちろん自分で楽しむのもいいですけれど、アロマセラピーのサロンに行き、肌に触れてもらって安心し、信頼できるセラピストの方とコミュニケーションする意味も大きいですね。
心理学を学ぶ意義
自分を知り、聴く力を持つことでブレない軸をつくり出す
お客さまの抱えている悩みはそれぞれですし、相談を受けてもどこまで介入するのかは難しい問題です。
セラピストの中には、お客さまの悩みを解決できないことで、落ち込んだり、その悩みを自分の中に抱え込んでしまう人もいます。
自分の人生経験や知識だけで動き、考えを押しつけてしまったり、間違った方向へ導いてしまったりすることも。だからこそ、心理学を学ぶ意義があると感じています。
理論や体系的な考えを軸にしないと、自分がブレてしまい、のみ込まれてしまいます。
「心理学って何を勉強するの?」と聞かれることがあるのですが、今は「己を知ることかな」と答えています。まずは自分をわからないとダメだと気が付きます。
お客さまによって相性というのはありますから、どういう時に不快と感じるのか、イライラするのかなど、自分をわかっていないと、お客さまとのコミュニケーションがうまくいきません。
【丸山さん】推理推測や自分の経験だけで判断しないために、自分を知り、聴く力は大事ですね。
物事は自分が見たものだけが全てではないですから、「本当はこうじゃない?」と決めつけてしまうと、自分の考えの正しさを証明するための証拠集めばかりをして、それ以外を見落としてしまうこともあります。
寄り添う距離感
アロマセラピストは自然治癒力のサポーター的存在
【丸山さん】人間には本来、自然治癒力が備わっています。悩みに対しても同じ。心理カウンセラーもアロマセラピストも、本人が悩みを解決するための自然治癒力のサポーターなのではないでしょうか?
「解決できると信じること」だと思います。
お腹がすいている人の代わりにごはんを食べても、その人の空腹は解消されませんよね。トイレに行きたい人の代わりにトイレに行くのも同じ(笑)。
「なぜ、トイレに行きたいのに言えないのか」ということを考え、変わろうとするその人とともにいるこ
とが仕事だと思っています。
悩みを受け止め過ぎることなく、その人に寄り添うことですね。自分を知り、聴く力を身に付けることは、スタッフ同士のコミュニケーションにも役立ちます。本当に、心理学は、セラピストの必須科目だと思います。
※このページの情報(年齢、所属、役職等)は2015年12月当時のものになります。