日本産精油「yuica」生みの親・稲本正さんに聞く-アロマセラピーは健康な暮らしを築くための必需品

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日本産精油「yuica」生みの親・稲本正さんに聞く

稲本正さん

日本産精油「yuica」の生みの親・稲本正さんプロフィール

いなもとただし・正プラス株式会社
代表取締役1945年富山県生まれ。立教大学卒業後、同大学に勤務。1974年に岐阜県高山市に工芸村「オークヴィレッジ」を設立し、代表となる。

お椀から建物まで幅広い工芸を展開する一方、植林活動を行い、地球環境における森林生態系の重要性を発
信し続けている。1999年には、長年の環境保護運動の功績により「みどりの日」自然環境功労者環境庁長官表彰を受ける。

2006年に「正プラス株式会社」を設立。森の草木から抽出した精油「yuica」の製造、販売を手掛ける。岐阜県教育委員会教育委員、東京農業大学客員教授などを務める他、森林に関する著作も多数。

古くから日本人の身近にあったのは森の香り。アロマは健康な暮らしを築くための必需品です

森のアロマ誕生のきっかけ

原子物理学を学んだことから、本当の「安全」について考えた

稲本さんとは3年ほど前にイベントを通じてお話を伺う機会があり、そこからのご縁ですね。「和のアロマ」への関心が高まる中、稲本さんにご協力をいただき、私たちのスクールでは、2015年に「yuica認定日本産精油インタープリター」の講
座をスタートさせました。

稲本さんは、もともと飛騨高山に、オークヴィレッジという工芸村を設立し、木製の玩具、アクセサリー、インテリア、そして建築までを手掛ける他、植林や育林などの森林環境保全活動も行っていらっしゃいますが、稲本さんが日本産精油「yuica」を生み出すまでのお話をお聞かせいただけますか?

稲本正さん【稲本さん】僕の父親は医師だったのだけれど、すごく多忙で、家族よりも他人のため
に働く人間でした。それで小学5年生の時に「医者だけにはならない」と決意しまし
た(笑)。

中学生までは野球少年で、その後小説家を目指そうと思ったのだけれど、文学者だった叔父に「才能がない」と言われて、大学では物理の道を選びました。

専攻は原子物理学。卒業後も学校に残って研究を続けていましたが、ある日、研究室で実験をしていた時、小型の原子炉のような機械があるのですが、冷却のための液体窒素を入れ忘れたことがあって、主任教授に本気で怒られたことがありました。「街が吹っ飛ぶ
ぞ」と。

それだけ原子力というのは大きなエネルギーであり、そして制御には細心の注意が必要で、安全ではないと学びました。

そこから森の活動へ。

【稲本さん】はい。安全に生きるためにはどうしたらいいのか? 人間が本当の意味で健康に美しく生きる意味は?と真剣に考えた答えが森であり、アロマにつながっていきました。

森は空気や水をきれいにし、食べ物をつくり、私たちに与えてくれます。人間は一日に約20㎏の空気と約2㎏の水、約2㎏の食べ物がないと生きていけません。その全てをつくるのが森なのです。

森の香りの効能

無臭や人工的な香りが心身のバランスを崩す原因に

その森の空気には、木々のアロマが含まれていますよね。

【稲本さん】そう、だからアロマは嗜好品ではなくて「必需品」なんです。 今、大気汚染などで、人間が生きていくために欠かせない空気が汚れていることが問題。日々汚れた空気を吸うことで、自律神経や免疫、
内分泌、記憶などを司る脳の「大脳辺縁系」に影響を与え、心身の健康を蝕むことに。

生態系豊かで樹木の種類も多い森林が国土の67%を占める日本。もともと日本には、常に空気の中に森の香りがあり、身近なものであったのに、「無臭」がもてはやされたり、人工的な香料が流通するようになったりと、香りに対する感覚も退化。大脳辺縁系の働きに狂いが生じるようになったと思います。

森の香りを嗅ぐことは、健やかな心身のバランスを取り戻すことと考え、長年研究と実験を重ね「yuica」の精油が誕生しました。

日本人にとっての「必需品」

高齢者にも受け入れやすい穏やかに香る日本産精油

「yuica」の精油は香りがとても穏やかで落ち着きますね。例えば、高齢者の中にはアロマが苦手という方も少なくないのですが、そういう方たちにも森の木々の香りは受け入れやすいようです。

日本人の遺伝子に深く刻まれている香りだからかもしれませんね。

【稲本さん】その土地のものを食べる「地産地消」という言葉がありますが、香りも同じ。日本人には、日本産の精油が体質に合います。それは当たり前のことなのです。

日本産精油について学ぶ

自己判断で使うのではなく、正しくアドバイスできる人を育てる

「yuica」は「成分分析」をきちんと行っている点も素晴らしいと思っています。

原料の採取から精油の抽出、製品化のためのボトリングまでを国内で行い、その精油がどこで、誰がどのように作ったのか、そして成分についても明解であるからこそ、安心して使うことができます。

【稲本さん】日本産精油は「必需品」だからこそ、本当のコンサルティングができるプロを育てなきゃいけない。精油の成分はもとより、森の生態系を学び、人間にとって何が必要なのかを理解し、健康や美容についての適切なアドバイスができる人。

そのための学校が必要であり、そこで学んだ「yuica認定日本産精油インタープリター」の資格を取得した方々の活躍を期待しています。

※このページの情報(年齢、所属、役職等)は2015年12月当時のものになります。


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