有機溶剤法(溶剤抽出法)
有機溶剤法(溶剤抽出法)は、ヘキサン、石油ベンゼンやエーテルなどの有機溶剤を用いて、芳香成分を抽出する方法です。このように薬剤を用いる方法は比較的新しく、手間のかかる冷浸法を工業的に実用化したものです。
抽出器の構造としては、直径1.5メートル、高さ2メートルの円柱形の大きな釜に、メッシュの中ぶたが何層にも入るようになっていて、この中ぶたに植物を厚さが10センチ近くなるまでたっぷりと重ね入れます。
釜の中には熱された石油エーテルなどが入っており、そこに香りが移ります。この工程が終わると石油エーテルは赤黄土色の液体になります。
この液体から有機溶剤を蒸発させると、常温では固形ワックス状になるコンクリート(香りの成分60%、花ろう・その他40%)と呼ばれるものが得られます。
このコンクリートにエタノールを加えてよく溶かし、香りを移し、冷浸法と同じようにエタノールを蒸発させて芳香成分を得ます。
この方法でとられた花の芳香成分を冷浸法と同様にアブソリュート、樹脂の芳香成分の場合はレジノイドと呼び、水蒸気蒸留法でとられた精油と区別することもあります。
※注意:レジノイド、アブソリュートは溶剤が残留している可能性があるので、皮膚塗布はしないでください。