精油のブレンドの基本
エッセンシヤルオイル(精油)の原液を、瓶からそのまま嗅いで楽しむのも、もちろん良いのですが、大きく分けて次の二つの目的で、やはりブレンドをした方がよいと言えます。
一つは、香りをより豊かに楽しくするため。それは、ぞれぞれの原液の香りを嗅いでその特徴をよく覚え、バランスよくブレンドをすることにより、より味わい深い香りを演出することを目的とします。
例えば、少し甘くフローラル系に近い香りはクロモジとニオイコブシ、強めの爽やかな香りはヒノキの葉とモミ、控えめな爽やかさで落ち着きを感じきせる香りはスギとヒメコマツといった具合です。香りと香りをどう混ぜ合わせ、いかに創造的なものにするかは、その人の勘が重要です。
香りのよいブレンドを創り出す時に忘れてはならないのは、「混ぜ過ぎると元に戻らない」ということです。これをよく心しておかないと大切な精油が無駄になってしまいます。
二つめは、機能を考えたブレンド。そのためには、それぞれの精油の成分と、その成分が持つ機能特性をよく理解しなければなりません。
例えば「モノテルペン炭化水素」であれば「抗菌」「うっ滞除去」「消化促進」などが期待されます。そして、その成分を含むのはヒノキ、モミ、スギ、ヒメコマツであり、クロモジもほんの少しだけ合むといっ
た具合です。
このようなことを頭に入れて、ぞれぞれの目的に合わせてプレンドすれば良いでしょう。
香り同様、機能もあまり欲張って手当たり次第に混ぜ合わせて、何にでも効く万能薬を創ろうとしてはいけません。混ぜ過ぎると互いの機能を打ち消し合うこともあるからです。
しかし、自分にぴったりのプレンドができると香りが良いうえに、免疫強化や自律神経のバランス、内分泌促進などにもよい影響を与えることができます。
※参考文献 日本の森から生まれたアロマ/稲本正著/世界文化社