皮膚感作
【定義】
皮膚に精油を用いて起こるアレルギー反応です。
希釈した精油でも感作反応を起こすことがあります。感作性のある精油を繰り返して用いていれば、反応を起こしやすくなることは言うまでもありません。
また以前に精油以外でアレルギーが起こったことがある場合も、慎重に精油を選択し、濃度も考慮する必要があります。症状としては、発疹、炎症・水ぶくれなどです。
1型:即時型アレルギー
起こるアレルギーのほとんどが、塗布直後に皮膚に小さく赤くポツポツと発赤します(1型:即時型アレルギー)。オイルトリートメントをしている時に起こりやすいです。
発疹にすぐ気づいた場合は、トリートメントを中止し、ティッシュなどでオイルをふき取った後、洗うか塗れたタオルでふき取ることで、それ以上の被害に及ぶことはほとんどありません。
このオイルトリートメントで起こったアレルギーは、精油のみならずキャリアオイルによることもたくさんあります。
4型:遅延型アレルギー
またごくまれに、精油を使って24時間~72時間もしてから起こるアレルギーもあります(4型:遅延型アレルギー)。 多くは赤く発疹するだけで、痛みやかゆみはないのが幸いです。
この場合は、精油の使用直後ではないので、アロマが原因であるとは断定できませんが、食事や生活などを聞くといつもと変わったことはないということが多いです。
この時は、アレルゲンを体から出し、血液を綺麗にすることが必要なので、水分をたくさんとります。白湯や、ハーブティーならネトル(浄血作用がある)、ダンデライオン(たんぽぽ)の根(強肝作用がある)がおすすめです。
その他
また、精油の成分が蓄積して、腕や足の内側に発赤が出た例、クライアントを素手でオイルトリートメントすると、肘まで発赤した例などがあります。
これらは上記の例とは異なり、痛かったり、かゆかったり、皮膚が治るまでに時間を要したりと、アレルギーの程度は軽くありません。仕事でひんぱんにトリートメントする場合は、グローブをはめるなどして必要以上に精油を身体に入れない工夫が必要と考えられます。
【皮膚感作の評価】
ロバート・ティスランド氏らの研究に次の評価があります。次のような感覚を基準に、刺激のレベルごとに精油を分類したものです。
A:強烈なもの
B:強いもの
C:危険性がごく少ないもの
A~Cの精油紹介
レベル | 精油名 |
刺激A | オオグルマ、エレキャンペーン、コスタス、バーベナ |
刺激B | カッシャ、ガーリック、オークモス、シナモン(皮)、フェンネル(ビター) |
刺激C | アニス、イランイラン、オニオン、ケーラ、シトロネラ、スターアニス キャットニップ、パイン(スコッチ)、パイン(ドォオーフ)、ペリラ ミルラ(溶剤抽出法)、メイチャン(リツェア・キュベバ)、メリッサ レモングラス、ローレル(葉) |
試験されていないが感作を起こすと考えられているもの | コンバーバ(葉)、ヒノキ(ルート)、セントジョーンズワート ユーカリ・シュタイゲリアナ |