飲食店の開業・再建支援をするプロデューサーで、赤坂璃宮の取締役等も歴任された佐野由美子さんの「リピート率10倍アップの飲食店繁盛術」という本を読んで、「なるほど。名刺1つにしても、突き詰めている人はここまでやるんだ。」と感動を覚えましたので、内容をご紹介させていただきます。
佐野由美子著 同友館
業種は違いますが、大変参考になるかと思いますので、ぜひお読みください。
月に最低100枚は名刺を配る
彼女は、いつもスタッフ達に、「お客様商売をやるなら、月に最低100枚は名刺を使わなければダメだ。」と教え、彼女自身も、
「ぜひ今度私の店にいらしてください。」
「ぜひまたお越しください。」
「いつでも私にお電話をください。」
と、言いながら、それ以上の数の名刺を、お客様に渡しているそうです。
そして、赤坂璃宮の中で、初めてのお客様から予約が入る件数が圧倒的に多く、社長からは、「店にいないくせに予約が多くてずるい」と言われているとのこと。
ご自身も経営者で、高級中華料理店ということから、名刺を渡しやすい環境であることを差し引いても、コンスタントに月100枚以上の名刺を配り続けるのは、並大抵のことではありません。
「いつでもお電話ください」と言ってくれると何でも相談しやすくなる
—ここから引用—
お客様は不思議なもので、あの店に行ってみたい、予約したいと思った時は、店に直接電話をすれば済むのに、名刺を持っていると必ずその人宛に電話をかけてこられるものです。
やはり、行ったことがない店には行きにくい、敷居が高い。でも一人でもその店に知っている人がいると、電話をしやすくなる。
ましてや名刺をくれた人が「いつでも私にお電話をください」と言ってくれると何でも相談しやすくなる。そして、気がついたらその人に電話をかけているものです。
—ここまで—
上の文章からすると、多分、彼女の名刺には携帯の電話番号も記載されているはずです。そして、お店に行きたいという人から電話がかかって来た時、彼女自身が予約の取次ぎを行っているのだと思います。
だとしたら、凄いことです。
何となくお店には直接電話しにくいというお客様の心理をおもんぱかって、お店にではなく、自分に電話を貰えるように優しく導いているのです。簡単なようで、なかなか真似のできることではないでしょう。
月に100枚以上の名刺を、「ぜひ今度私の店にいらしてください。」、「いつでも私にお電話ください」と渡し続けていれば、毎月、何組も予約が入ることは普通に起こりえる事が想像できます。
それをスタッフ全員が真剣に取り組んだら、小さなお店であれば、それだけで売上げが2~3割アップしてしまうかもしれません。
名刺を渡すというと、どうにも堅苦しいイメージがありますが、LINEやFACE BOOKで友だちになるくらいの感覚で、日常出会った人に、もっと気軽に渡してみると良いのではないでしょうか。